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トライアングルからトレンド発生→最初の調整→最初の移動平均線への接触

シンメトリカルのトライアングル、いわゆる三角保合いがアペックス(頂点)付近にまで到着し、二辺のいずれかがブレイクされた場合における戦術を解説します。これは殆どのマーケットにおいて非常に頻繁に現れる形であり、この状況にどのように対処すべきか、そのモデルを構築しておくことは、継続的に利益を獲得していく上で非常に重要です。これは特に為替やビットコインにおいて有効な戦術です。

まず前提として、どの時点でトライアングル形成の可能性を考慮すべきかという点です。チャートを後に振り返り、ああこれはトライアングルだったんだなあと分析するだけでは、実際のトレードにおいては何も意味がありません。リアルタイムでチャートは描画されていきますから、その途中の過程において、あるパターンが完成する可能性があることを先んじて考慮しなければなりません。

この点については、上辺・下辺をそれぞれ結ぶことができる4点があることが最低条件となります。さらにエリオット波動を応用的に適用し、上辺・下辺いずれかのライン上で折り返し5点目が形成された後は、近いうちにブレイクがくるかもしれないと警戒すべきです。また、トライアングルの形成過程では、出来高が漸次的に減少していくことも重要な特徴です。

トライアングルは基本としては、現在のトレンドの一時的な迷いを示すものです。仮に上昇トレンドの最中に現れたものならば、参加者の多くが、新規の買いポジションをもつことに躊躇いを感じつつもさりとて利益確定やショートをとるほどには弱気ではないという心理の表れです。とすれば、かりにこのトライアングル形成中に特に新たなファンダメンタルが生じない限りは、以前のトレンドが継続する可能性の方が高いという感覚はあった方がいいでしょう。ただ、実際に迷いが生じているのは事実ですから、これを根拠として実際にエントリーをするのは、やや投機性が高くなります。また、為替においては、オプション取引の期限が迫ってくるとストライクを挟んだ上下の価格帯で相場が収斂していくことがあります。こういった事情を全て把握することは不可能ですし、チャートを一見しただけで読み取れる情報ではありません。このような特殊事情が媒介しているケースもあることを考えると、新規ポジションを取るほどには予測の精度は高くなく、それ故に私の場合は様子見を基本とします。

次の段階として、二辺のいずれかがブレイクされる瞬間が訪れます。この瞬間に安易に追随することは避けるべきだと考えます。なぜなら騙しの可能性があるからです。たとえば、ある大きな資金力をもつ投資機関が仮にロングのポジションを持っていたとして、さらに大幅な買い増しを狙っていたとします。この投資家がアペックス付近において、利益確定や新規のショートを故意に入れてくる場合があります。そうすると他の傍観していた投資家がブレイクされたと考え追随で売りにきて価格が大きく下がります。その下がった瞬間にすかさず先の更なる上昇を狙う投資機関が大量の買いをいれさらに一段の上げを狙うといった場面があります。いわば撒き餌のように騙しチャートを作るのです。こらは、現在ではAIによってなされることが多く、故に極めて短時間のうちに一連の流れが起こります。このように一瞬だけブレイクしその後は逆にトレンドが発生するといった騙しの局面で反射的に追随してしまった場合、そのポジションの救出可能性はかなり低いものとなってしまいます。以前に説明した通り「利小損大」を戦略として採用する意義は、利益を取る期待可能性よりも損失を回避できる期待可能性の方をより重視するという点にあります。トレンドの初動を捉えることは後の大きな利益獲得を想像させますし魅力的ではありますが、それ以上の危険性があることを考えるととり得ない戦術であると考えます。この点、騙しと判断した時点で損切をすればそれほど大きな問題はないのではないかと考える方もいらっしゃると思います。しかし、先に述べたように、この動きは現在ではAI主導のもとに行われており、まさに一瞬といってもいい時間内に生じます。そしてこの動きはトレーダー側に「騙された」との強い憤りの感情を想起させやすく、一般に認知に強い歪みが生じます。それ故に冷静になった後にはすでに巨大な含み損が発生していることが多く、またそのポジションは上記に述べたように救出可能性の低いものです。利生損大とは、本質的に損失の発生する可能性を極力少なくする方針であることに意義があります。絶対額のリスクリワードではなく確率のリスクリワードを優先することに利小損大の戦略的意義はあります。現実の実行可能性が低くなる戦術は取るべきでないと改めて強調します。

では、どこでポジションを取るべきか。この点についても通説に逆らうことになりますが、利小損大の観点から、最初の調整を逆張りで取ることを推奨します。特にアペックス付近からのブレイクが下辺で発生した場合に、極短期のリバウンドが発生する可能性は極めて高いものがあります。さらにこの逆張りの戦術的長所は、逆指値を置くべき損切りラインが極めて明確である点です。すなわち、その直近最安値というピンポイントの価格を設定できます。それ故に判断も冷静に行えます。利益確定にせよ損切りにせよ、極めて短い時間のうちに勝負が決することから、時間的損失もほぼありませんし、場合によってはかなり大きな利益が狙えます。一度失敗しても、二度三度と繰り返せば、少なくとも同額の利益の取り戻しを狙いやすい戦術です。一回のリバウンドもなく、ただ只管奈落に落ちていくようなチャートは、何か強いファンダメンタル要因が発生していないかぎり、そうそう起こるものではありません。逆にいうと、ファンダメンタルの強烈な裏付けがある場合にはこの戦術の使用は慎重であるべきです。ただ、一般的には、リバウンドは非常に発生の期待可能性が高く、また認知の歪みを生じることなく損切りの判断が下せる数少ない場面だと思います。

その後は、移動平均線への最初の接触点を予想し、その付近でリバウンド狙いのポジションを決済すると同時にトレンド追随の指値を入れドテンします。これは必ず指値であるべきです。というのも、この移動平均線との接触は極短時間のうちに行われ、通常はヒゲとしてチャートに現れるのが通常だからです。タイミングと正確性が重要ですが、予測するのはそう難しいものではありません。このポジションを決済するタイミングは、保守的に確実な利小を狙うのであれば、上昇トレンド発生の場合はトライアングルの下辺との並行チャネル、下降トレンド発生の場合はトライアングル上辺との並行チャネルを新たに引いてみて、その接触時に入れるというのが基本です。攻撃的にいくのならば、アペックス付近の価格帯を損切りの逆指値の設定し、利を伸ばすことを狙える場面でもあります。ただ迷いがあるなら、基本通りに平行チャネルへの接触付近で利益確定させる方が良いと考えます。

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