2019年10月1日に、CoinExchange.ioより、同社が取引所経営から撤退する旨が公表されました。これを機に、ICO案件や新興アルトコインに対するORTHRUS STRATEGYの見解を表明しておきたいと思います。
ORTHRUS STRATEGYが推奨する利小損大の戦略のもとでは、ICO案件や新興アルトコインでトレードするメリットは殆どないと考えます。仮に暗号資産においてハイリスクをとりたいのなら、ビットコインを中心とする古参の上場通貨におけるハイレバレッジという方法でとる方がトレード技術による制御が可能です。
利小損大の戦略は、合理的な損切りを中核とし、額は低くとも利益確定の高い勝率があってこそ成り立ちます。両者は、チャートに一定程度以上の予測可能性と再現性があることを前提とします。新興アルトコインはこの前提を満たしていません。
ICOにしても、ホワイトペーパーを精読ところで、技術的核心を理解することは株式以上に難しいのは明らかです。そもそもICOは、株式のように社員としての法的地位を付与するものでもなく、また配当もありません。また、保有要件として国籍も要求されないので世界中から資金を集めることができます。つまり、事業者側にとって一方的に都合が良いのです。トレーディングは、適切で公平なマーケットにおいてこそ技術を磨く意味があります。不透明なマーケットの只中をさまよう運の気まぐれに己の財産の行く末を任せるべきではありません。仮に運のきまぐれがこちらに向いたとしても、運で築いた財産は運によって失います。
一般的には、デイトレードですら相当に危険性が高い行為です。ORTHRUS STRATEGYは、この危険性を合理的な損切りで制御することによって利益を上げるモデル構造です。それに対し、ICOや新興アルトコインへの投資は大なる利益を狙うものです。戦略論で述べているように、大なる利を狙うより適切な大なる損を時として受け入れつつ小なる利益を高確率で実現する方がモデル理論によって継続的に再現しやすいとの主張を採る以上、これを捨て置き敢えて参入すべき理由はありません。
数多くのアルトコインの中からお気に入りの銘柄を選択するという行為は、ある種の楽しさを覚えさせるでしょうし、ましてそれが利益につながったときは非常な快感を覚えると思います。しかし、マーケットはICOやアルトコインだけでは当然ありませんし、トレードにより継続的に再現性をもって利益を実現できる悦びは上に勝るとも劣るものではありません。一時の享楽を求めず、地道に着実に資産を築いていくことを推奨します。