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1 序論

1.1 最初に

「主に投資で生計を立ててきました」。対面でこういうと、色々な反応が返ってきます。専業の経験がある方はよくご存知かと思いますが、その多くはあまり好意的な反応ではありません。

しかし、中には関心を示してくれる人もおり「ぜひ教えてください」と頼まれることも経験しています。このような反応には、困ったなとも幾分思いますが、同時に嬉しさも感じます。自分が熱意をもって取り組んでいることに対し関心を示してくれ、それについて語る機会を得ることは楽しいものです。

出来る範囲とはなりますが大丈夫ですよ、そう答え、基本的な知識を伝えていきそれなりに会話が進むと、 続けてこう尋ねてきます。「参考までに、株価があがりそうな銘柄を教えてくれませんか」「ドルは今後上がりそうですか」「仮想通貨は今後どうなると思いますか」。もしくは幾分かの実践経験がある方ではこういった質問も多いです。「どういったオシレーターやインジケーターを使っていますか」。

こういった質問をされると、不安な気持ちが胸に去来します。この方が継続的に投資で利益を上げるのは難しいのではないかという不安です。おそらくは、最初の質問にはその人が最も重要であると考えている事柄が端的に現れているのでしょうが、私が強調したかった点はそのような未来予測の手法ではないからです。

そこで戦略の重要性を改めて強調するのですが、これを伝えるのはなかなかに難しいものです。中には売買手法を教えたくないのだな、といった解釈をされる方もおりました。このような経験から、自分なりに投資のコツを伝えているつもりでも、やはり会話の早く短いレスポンスの中でその真意を理解してもらうことは非常に難しいのではないかと考えるようになりました。

もちろん私も、長期・中期・短期のそれぞれの見通しは持っていますし、よく使うオシレーターやインジケーターはあります。しかし、それらはマーケットで継続的に再現性をもって利益を上げていくためのコアとなるものではないと捉えています。そもそもそれらの見解にしても、容易に変化するし、また変化すべきものだと考えています。

将来の予測の精度は、収益の効率性には影響を与えます。しかしその前提、すなわち継続性と再現性をもって収支をプラスにするためには、特にデイトレードにおいてはこの点よりも遥かに重要な要素が存在すると考えます。それが戦略です。

その真意をこれから著述していきたいと考えています。

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