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1 戦術総論

基本的戦術

戦略論の損切りの節で既に述べたように、最も基本となる典型モデルは以下となります。

○月足・週足 = 章目となる高値・安値、トレンドラインの上限・下限を確認
○3日足    = トレンド判断
○1時間足   = 3日足のトレンドとの合一性を確認
○10分足   = 実際の指値を決める

○日足    = 前日の高値・安値を確認
○4時間足   =  ダイバージェンスが発生している場合に強く警戒
○1分足    = 突発的な出来事が生じていないかを判断するためのセンサー

繰り返し確認すると、3日足でロングかショートか判断し、1時間足のトレンドが3日足のトレンドと合致している場合に、10分足のトレンドライン・オシレーターに基づいてエントリーします。3日足のトレンドラインを1日足の終値で割った場合には損切りの実行を決断します。一方利益確定は10分足のトレンドラインに基づき実行します。これは利小損大の基本戦略のもと、いかに損切りの発生場面を抑えつつ、かつ損切りをしなければならない場面で即座に確実にできることを目的として逆算的に割り出されたものです。

これはあくまでも基本モデルであり、最も重要な方針であると同時に、例外を許さないものでは全くありません。刻一刻と変化し続けるマーケットにおいては、利益獲得の期待可能性の高い局面が多数発生します。そのような場面にいち早く適切にコミットするためには、局面をパターン化して認識し戦術として使えるようにしておくことが必要です。

マーケットにはそれぞれ特徴がありますので、株式・為替・暗号資産で分けて考えます。先の戦略的基本モデルは、為替とビットコインにおいて最も有効に作用します。それに対し戦術論は株式において特に有効です。相対性を旨とする為替および本質的価値の見極めが2019年現在なお不透明でファンダメンタルの裏付けが脆弱なビットコインに対し、実体的価値がありかつ基本的には時間軸の進行と共に成長を続けることが前提たる株式とでは、その特徴が大きくことなります。

株式では、利小損大の戦略的必要性はその他と比較して薄い部分があり、場合によってはファンダメンタル分析に基づき年単位で大きな利益を狙える場面もでてきます。私個人の経験でも、一回のトレードで最大の利益がでたのは株式の中期保有でした。ただ、株式においては、日々の地合いに応じて、とるべき戦術が大きく異なる傾向があります。それゆえ、継続的安定的に利益をあげていくためには、一貫して適用される戦略論の理解は不可欠であり、その重要性は他の二つとなんら遜色するものではありません。

為替はテクニカル的な戦術論が中心となります。ファンダメンタルの予想に基づくポジション取りが最も危険なマーケットであると私は考えています。世界中のあらゆる出来事がその要素となる以上、ただでさえ不完全情報のマーケットの中でもとりわけ不完全性の高いマーケットです。それゆえ、特定のチャートパターンを抑えおくことは、安定的に利益を獲得していくために有効です。

暗号資産は、ビットコインを中心に考えます。これは非常に面白いマーケットですが、同時に非常に不透明なマーケットでもあります。長期にわたって保有した場合、莫大なリターンが見込める可能性がありますが、同時に全くの無価値になる可能性も秘めています。一定程度の現物資産を持つことには意味があると思いますし私も現に保有していますが、全体の資産の大きな割合を占めるのは避けるべきだと現時点では考えてます。ボラティリティの大きさは非常に魅力的であり、また土日にも取引できるという点では、必ず攻略したい相場でもあります。

戦術論は特定の局面においては、極めて大きな利益をもたらします。ただ、戦略論と異なり常に適用されるものではないことに注意が必要です。また強く意識しすぎる余り、現場における経験的なコミットから生み出される帰納法的知性がないがしろにされることは絶対に避けるべきです。以上を前提として、個別的に戦術論を述べていきます。

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