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戦術論とは何か

戦術論

戦略と戦術の違い

戦略とは、利小損大という基本方針に沿い、マーケットとトレードの各要素を統一的視点から解釈し、統合的な思考体系を築き上げることです。利小損大の観点からトレードにおける各要素を連結することにより形成される、利益獲得の目的を達成するための大局的な思考体系です。

これに対し戦術とは、個々の具体的な場面におけるトレード技術、いわば方法論に焦点を当てた考え方です。刻一刻と変化し続けるマーケットにおいては、利益獲得の期待可能性が高い特定の局面が短期的に発生することがあります。そのような場面にいち早くコミットしまた効果的に利益を獲得するために、局面をいかに認識し、状況の変化に応じていかに指揮・実行していくかについての考え方です。

継続的に利益を上げていくためには戦略がより重要であり、戦略はデイトレーダーとしての方向性を決定します。戦略が失敗した場合、それは破滅への道を進むことを意味しますが、戦術の失敗は部分的失敗に留まります。その一方で、戦術は、時として大きな利益をもたらす可能性を秘めています。戦略だけで勝つことはできますし、また戦略こそが勝つための必要条件ではありますが、より早く資産を形成するためには戦術の研究が大いに助けとなってくれます。

柔軟な創造性を発揮する

戦術は、戦略よりも柔軟であるべきです。戦略は永続的・統合的な計画ですが、戦術は短期的・個別的な計画であり、その場の流動的な状況に臨んで適切な処理をなすことを目的の第一とするからです。

従って、本来はマーケットの状況ごとに設定すべきものですが、少ないながらも普遍性を持った戦術も存在します。そこで、戦術論では、こうした考え方がよく出ているいくつかの戦術を具体的に紹介します。個々人の創造性を自由に発揮し才智を絞って自分に適した戦術を構築するための助けとなると思います。

-1 戦術の有用性