最初に
未来予測が本質ではない
「主に投資で生計を立ててきました」。対面でこういうと、色々な反応が返ってきます。専業の経験がある方はよくご存知かと思いますが、その多くはあまり好意的な反応ではありません。
しかし、中には関心を示してくれる人もおり「ぜひ教えてください」と頼まれることも経験しています。このような反応には、困ったなとも幾分思いますが、同時に嬉しさも感じます。自分が熱意をもって取り組んでいることに対し関心を示してくれ、それについて語る機会を得ることは楽しいものです。
出来る範囲とはなりますが大丈夫ですよ、そう答え、基本的な知識を伝えていきそれなりに会話が進むと、 たいていこう尋ねられます。「株価があがりそうな銘柄を教えてくれませんか」「ドルは今後上がりそうですか」「仮想通貨は今後どうなると思いますか」。もしくは幾何かの実践経験がある方ではこういった質問も多いです。「どういったオシレーターやインジケーターを使っていますか」。
この手の質問をされると、不安な気持ちが胸に去来します。この方が継続的に投資で利益を上げるのは難しいのではないかという不安です。質問にはその人が重要と考えている事柄が端的に現れるものですが、私が強調したかった点はそのような未来予測の手法ではないからです。
戦略が本質
そこで戦略の重要性を改めて色々と説明するのですが、これを伝えるのはなかなかに難しいものです。中には得な情報を教えたくないのだな、といった解釈をされる方もおりました。このような経験から、自分なりに投資のコツを伝えているつもりでも、やはり会話の早く短いレスポンスの中でその真意を理解してもらうことは非常に難しいと考えるようになりました。
もちろん私も、長期・中期・短期のそれぞれの見通しは持っていますし、よく使うオシレーターやインジケーターはあります。しかし、それらはマーケットで継続的に再現性をもって利益を上げていくためのコアとなるものではないと捉えています。そもそもそれらの見解にしても、容易に変化し、また変化すべきものと考えています。
将来の予測の精度は、収益の効率性には影響を与えます。しかしその前提、すなわち継続性と再現性をもって収支をプラスにするためには、特にデイトレードにおいてはこの点よりも遥かに重要な要素が存在すると考えます。それが戦略です。
その真意をこれから著述していきたいと考えています。