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9 トレンド判断

9.3 転換パターンを押さえる

前節で解説したトレンドの継続性と例外性を前提とすると、トレンド判断において最も重要なことは、その転換点を如何に適切に判断できるかということになります。一旦発生したトレンドは継続する傾向があり、保ち合いに移行した場合でもそのブレイクは以前のトレンドを引き継ぐ方向で発生する可能性が高いとすれば、トレンドの発生地点、すなわち転換点を判断できれば、以後は次の転換が生じるまで原則としてそのトレンドに従えば順張り、逆を狙うなら逆張りと判断できるようになるからです。

損切りの基準を日足もしくは3日足で判断する以上、トレンド判断もこの両者が最重要となります。特にロスカットにおける長期典型モデルにおいては、損切りの基準点となりますし、短期典型モデルの逆張りにおける極限の一例ともなります。

もちろん日足・3日足より小さい足でもそれぞれの転換パターンは問題になります。たとえば、長期ロスカットモデルの場合、トレンドに追従していく形で1時間足、10分足のトレンドが一致している場合にエントリーしていくのが最も理想となりますから、そのサポート付近において転換パターンの兆候が実際に表れているかどうかを観察していくことになります。

トレンドラインは最低限二点の谷もしくは山があれば描画できますが、誰の目にも明らかなトレンドラインや平行チャネルが形成された後では、長い時間が経過している分、トレンド崩壊の可能性も高くなり、トレンドラインの信頼性は低下してしまいます。トレンド判断は後から相場を振り返って、ああ上昇トレンドだったんだな、下降トレンドだったんだな、と分析するのではトレードにおいての有用性はありません。その意味でも、転換点の判断はトレンド判断の問題と直結します。逆に言えば、転換点を理解しさえすれば、トレンド判断の焦点とする材料が明確になりますので、簡潔かつ迅速に一定の確率的優位性をもったトレンド判断が行えるようになります。

この点につき、質問がありましたので、少し補足を加えておきます。一般にトレンド判断というと、多くの型はトレンドラインをイメージされます。もちろん、人により売買手法は千差万別ですので、転換点をもってトレンド判断の一義とする方法の最優位性を主張するものでは全くありません。この点に限らず、ORTHRUS STRATEGYは、あるデイトレーダーの一記録だとお考えください。その他の手法を否定するものでは全くありません。私がトレンドラインを一義に用いず転換パターンをより重視する根拠は、その時間的優位性です。トレンドラインは後からチャートを振り返り説明する場合には便利なのですが、リアルタイムで進行するマーケットにおいて具体的な売買手法として組み込むには、少し時間的な判断が遅くなるのではないかというのが私自身の考えです。

以下の節において、主要な転換パターンを検討してくこととなりますが、ここではその全体に共通する前提を述べておきます。上記に述べた通り、トレンド判断は、リアルタイムで行う必要があります。もちろん、後から既に描画されたチャートやファンダメンタル要因となる出来事を分析し、ここが転換点だと検討し、リアルタイムで行った検証に基づく見解を修正していく作業は必要です。しかし、実際のトレードにおいて有用性を持たせるためには、値段が刻一刻とついていく現時点で判断しなければなりません。トレンドの転換は、多くの場合、何等かのサポートやレジスタンス付近で生じます。3日足・日足のみならず、週足・月足のサポートやレジスタンス、フィボナッチ係数、心理的に章目となる数字などがあります。その付近で、トレンド転換が生じる可能性を考慮し、その観点から実際の値動きを観察し、転換の兆候が生じているかを判断していくことになります。もちろん、全てのサポートやレジスタンスを把握することは不可能ですし、自分が想定していなかった地点において転換の減少が生じることはあるでしょう。その場合はやむを得ず事後的な判断となりますが、理想的には予測のもとに実際の値動きを観察するという流れになります。少なくとも想定していない時点で転換らしき兆候が生じても、転換の可能性を考慮しつつも新たなエントリーは原則として控えるべきだと考えます。

転換点がトレンドの発生点であるからには、そこにはある兆候が発見できるはずです。次節以降においては、その具体的なリバーサルパターンについて考察していきます。

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