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8 時間

8.6 その他長期の時間要因

デイトレードで押さえておいた方がいい時間的要因については、前節までのもので十分です。利小損大の戦略のもと含み損に耐える場面はしばしばありますが、さすがにデイトレードを目的としたポジションを何年も持ったままという事態は皆無だと思うからです。そもそもORTHRUS STRATEGYは年次単位での戦略ですから、それよりも短いサイクルの中での周期性を考えれば原則としては事足ります。

とはいえ、年間のトレンドのイメージをもっておくことが全く無意味というわけでは勿論ありません。特に、何年かに一度周期的に発生するイベント、とりわけ国政選挙に対し、売買戦略のイメージをもっておくことは短期売買においても有利に働きます。2016年にアメリカ大統領選挙でトランプ氏の当選が決定した後の強烈なドル買いは記憶に新しいと思いますし、わが国でも2012年に自民党が勝利して以降、日本株には著しい上昇トレンドが発生しました。このような持続性のある強烈なトレンドが発生をよみとることができれば、非常に大きな利幅をとることができます。また、年初における売買方針の一助にもなります。なにより、網羅性の観点から一言触れておいた方がよいと考えたので一節をとり説明します。

アメリカ大統領選挙前年は、米国株式やドルが高騰するという主張はしばしば目にします。この主張の根拠は、現職大統領が来年の選挙を控え経済施策を積極的に打ち出す傾向があり、それを受けて株式指数が上がりドルが買われるからと説明されます。一方、日本の国政選挙の場合は、選挙自体を一つのリスクイベントとして捉える傾向が強く、選挙当日に趨勢が判明した時点で悪材料が出尽くしたかのような反応を示すことがよくあります。すなわち、しばしば株式の決算前後に見られるような、恐らくは悪い決算であろうと予測され発表前日まで下げ続けていた株式が想定どおりの悪決算であったときにそれを受けて翌日の寄付きで大きく下げた価格を底として以後上がっていくような現象です。国政選挙の場合は悪決算の場合とは異なりかならずしも投票日前に下がる傾向があるわけではないですが、終了後にマーケットは選挙が終了したこと自体を材料とみなして上がる傾向があります。アメリカの場合も日本の場合でも、共和党や自民党といった経済発展に重きを置く政党が勝利した場合の方が一般には伸びがよい傾向があります。

ビットコインに関しては半減期という大きな問題があります。今後のトレンドを考える上で有益であり、またタイムリーな要素が含まれることから分析論において近日中に執筆したいと考えています。

このような数年単位のサイクルより更にスケールの大きい、長期にわたる循環サイクルとして最も有名な説は、コンドラチェフの波でしょう。画期的な技術革新に基づく約50年周期の世界的な経済サイクルの存在を主張するものです。デイトレードで戦略に組み込むことは不可能に近いでしょうが、たまに相場を巨視的な視点で眺め、近視眼的な発想の行き詰まりを正すという意味では有益だと思います。

この節で述べたことは内容が大事というより、戦略全体の体系性を構築する際の骨組みとして意味があります。パレートの法則でいう2割の部分に重点を置くことが大切ですが、全体がみえるからこそ重要な2割が判別できます。これらはデイトレードに必須のものではありませんが、視野狭窄に陥らないようにし、また戦略に隙間があるかのような不安の錯覚を生じさせないようにする点で、心理的によい影響を与えます。逆にいえば、時的分析にはこういう要素もあるのだということさえ理解すればそれで十分です。選挙と半減期については毎日のニュースを収集し分析していくことで問題なく対応できます。

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