損切りは、テクニカル上の損切りライン(必要性からの損切りライン)を用いるのが基本ですが、これに加え損失価額の損切りライン(許容性からの損切りライン)があります。これまでテクニカル上の損切りラインについて述べてきましたが、ここでは一回の取引にあたり許容される損失の限度額に基づく損切りラインとその意義について考えていきます。
一切の事情を無視し、損切りを強行しなければならない場面がある
一撃退場を避けるため
損切りにおいて、必要性の観点と並びもう一つ問題になるのは、許容性の観点、すなわち一回のトレードにおいて発生する損失の最大限度額です。現在のチャートの動きからいずれ自分のポジションが救済されるように思えても強行的に損失を確定させなければならない場合があります。いわば、防衛ラインとでもいうべきものです。仮にこれを定めていないと、一撃で大部分の資金を失いマーケットから強制的に退場させられるリスクを常に包含することになってしまいます。
損失額の基本防衛ライン
先行利益分の原則
損失額の基本防衛ライン
先行利益分の原則=先行する利益分に損失を抑える
基本となる損失許容限度額は、先行する利益分です。利小損大戦略のもとでは、利益が損失に先行する大きなメリットがありますから、これを利用します。小さくとも多数の先行して積みあがった利益が損切りに対する防衛ラインとして機能してくれます。これに対して利大損小の場合は、小さいが多数積みあがる損失に対してそれをカバーするだけの大きな利益をいずれ獲得できなければ収支は+にはなりません。利大損小では確率的には損失発生の方が高くなりますから、先行する利益分という概念を観念しづらくなります。
期間を限定させる
ただ、これだけだと、理論上の最大の幅としては口座を開いてから今まで獲得した利益全てとなってしまいます。そのため、基準となる期間を限定させる必要があります。この点、デイトレーダーとしては、最も基本となる期間として「当日の利益分」「当週の利益分」が考えられます。
細かく切り替える
しかし、とある日に株式マーケットでも為替マーケットでも順調に利益を積み重ね、深夜03時頃になったとします。ここでFRB議長によるFOMCの会見が直後に控えていたとして「今日は利益が沢山出ている。どうやらツキがあるようだ。今日の利益分が全部なくなってもいいから思い切って勝負してみよう」と考え、損切りラインを「当日の利益分全て」と設定してトレードすれば、これは明らかに許容性をオーバーしています。利益は残してこそ意味があるからです。したがって「先行する利益分"全て"」としてしまうことには明らかに問題があります。確実に利益を残し資産を積み立てていくべく、一日のうちでも区切りとなる時点からの数時間分の利益分・直前のトレードの利益分、などと細かく切り替えることによってリスクをコントロールしていかなくてはなりません。
過剰な許容性になるリスクをいかに排除するか
しかし、これでもまだ問題は残ります。「先行する利益分」の期間に恣意性が入り込む余地がある点です。上で述べたように、順調にトレードが成功し続けた後は、実はトレーダーにとって危険な状態です。大きな損失は大きな利益を獲得した後にしばしば発生します。「先月も今月もトレードがかなり上手く行った。その利益分があるから思い切ってトレードしてみよう」といった心理になり、損切りラインもはっきりと決めずに雑な判断でポジションをとった結果、ロスカットまで持ち続けてしまい、致命的な損失を出してしまう危険性があります。大きな損失を発生させることなく順調に利益が積み重なる状態が長く続いた場合、楽観主義からくる油断が湧き上がってくるからです。当然ながら、これは明らかに過剰な許容性となります。そこで、一回の取引における損失額が致命的なものとならないようにするために、最終防衛ラインとして全体の資産の割合から逆算した損失限度額を設定する必要があります。これを次に述べます。
損失額の最終防衛ライン
-15%の原則
損失額の最終防衛ライン
-15%の原則=自己資金の-15%に損失を抑える
一回の取引における損失の最大許容額については、資金におけるパーセンテージ比で設定しておく必要があります。-2%~-5%とする教書が一般的ですが、ORTHRUS STRATEGYでは最大-15%で設定します。
このように大きく設定する理由は、利小損大戦略の観点から、多数の取引で利益を獲得すると同時に強制的な損切りの機会を可及的に減らすためです。最大損失額は大きく設定する代わりに、実際に適用される機会は最小限に抑え込まなければなりません。
利大損小との違い
この論点に限らず、一般の教書は利大損小を前提としている場合が多く、その観点からは-2%~-5%の設定は合理的でしょう。しかし、利小損大、すなわち一回の損失額が大きくなる可能性をリスクとしてとりつつ、多数の取引においては利益で決済する戦略の下では、-2%~-5%の設定は過剰なリスク管理となります。損切りラインが浅いことは、それだけロスカットが実行される機会も多くなることを意味するからです。
もちろん、利「大」損「小」とは相対的な概念です。しかし仮に「損大」の意義自体を縮小し、「損大」に該当する価額を資金の2%~5%と解釈すれば、「利小」はそれよりも相対的に更に小さくなるわけですから、ポジションサイズと利益額は極めて寡少なものとなります。いくら「利小」といえども、一回の取引当たりに狙える利益額が小さくなりすぎると利益獲得の効率性が大きく低下してしまいます。
より安全にいくなら
逆にいえば、利益効率を犠牲にするならば、利小損大の戦略下においてもなお-2%~-5%の設定を維持し、これを「損大」と位置付ける手はあります。ポジションサイズは極小になり、一回のトレード当たりの利益額もかなり小さくなりますが、確実性はより高まります。また、テクニカル分析やファンダメンタル分析がまだ十分に習得できておらず個々の取引の勝率が高くない場合は、-15%より保守的な額に設定した方が安心です。
バランスが良い方法は「先行する利益分」を積み上げるまでは-5%に設定し、損切り防衛ラインとして働く利益分が積み重なったら-15%とする方法です。資産増加のスピードも落ちすぎず、しかもより高い確率的優位性をもってトレードすることができます。
なぜ損切りラインを深く設定するか
「損大」の解釈を-2%~-5%にしようと-15%にしようと、いずれにせよ想定される利益より損切りラインをかなり深く置く点は変わりありません。なぜこのように深く設定するかといえば、ポジションの救出可能性を高めるためです。価格は波動の性質がありますから、頻繁に揺り戻しが生じます。利小損大の戦略的基盤は、この事実、すなわち時間はかかるものの二度のその価格をつけない事態は滅多に生じない事実に立脚しています。したがって、自己資金に対する割合を大きくすればするほど、ロスカットが現実に施行される機会は減り、小さくとも利益確定ないし同値撤退できる機会は高まります。
当然これはいざ損切りが実行された場合の被害額は大きくなることとトレードオフの関係にあります。このこと自体は利小損大の戦略からくる必然ですが、ここで注意すべきは、損大でもいいけれどもその機会は極限まで少なくしなければならない点です。この点を如何に対処すべきがが問題となります。
常に-15%のリスクを許容する趣旨ではない
この問題を考えるために必要な視点として、資金に対する一定割合を損切りの基準とすることは、損失限定の観点から絶対に必要ではあるものの、そもそも利小損大の戦略的思想とは相性が悪い部分があることです。すなわち、許容性からの損切りラインは、自己都合による損切りラインである点です。-2%に設定しようが-15%に設定しようが、共に自己資金量から導かれる値である以上、この自己都合性という本質的性格は変わりません。本来、トレードに纏わる判断において自己の個人的な事情を介在させることは禁忌です。損切りラインもまた、本来はマーケットの都合に合わせて設定されるべきものであり、個人的な事情を介在させることは極力避けなければなりません。具体的にいえば、前日最高値や前日最安値を損切りラインとして設定する場合はチャートにより一義的にその値が決定されるのに対し、自己資金に対する損失割合から逆算される許容性の損切りラインはそのトレーダー個人の事情によって導かれたものにすぎず、マーケット側からみればなんら必然性があるものではありません。
一般の教書が-2%から-5%として設定している損切りラインもまた、自己都合により導かれる損切りラインです。そしてこれは多くの場合、利大損小戦略を前提としています。利大損小では、損切りのラインを浅く設定することで損失を限定させ、その代わりに少数でもいいので大きな利益を獲得することで最終的な収支を+にすることを目指します。また教書によっては、ORTRUS STRATEGYのいう必要性からの損切りラインと許容性からの損切りラインとを区別せず、自己資金に対し数%分のマイナスが出たらそれをもって損切りとする、つまり一つの損切り基準のみで処理するものもあります。これらは自己都合による損切りラインであり、本来望ましいものではありません。ただそれでもなお、それら多数の小さい損失を上回る大きな利益を獲得することで利大損小は成り立ちます。その意味で利大損小は、大きな利益を得るチャンスを増やす代わりに、損切りの合理性をある程度犠牲にしているわけです。
それに対し、利小損大戦略とは、多数の小さい利益の積み重ねと小数の大きな損失との和が正になることを目指す戦略です。利益は小さくても良い代わりに、損切りに徹底的な合理性を求めます。一回当たりの損切りの価額は大きくなってもいいので、その適用は理に適ったかつ滅多にないものでなければなりません。したがって、自己都合による損切りライン、すなわち自己資金の対比率で導かれる-15%の損切りが実際に実行される機会は、極限までその適用機会を減らさなければなりません。言い換えれば、利小損大戦略は、損切りラインを自己都合ではなくマーケットの都合に最大限合わせる戦略だと言い換えることもできます。自己都合による損切りラインの適用は例外であるべきです。これを適用する機会は極力まで減じなければなりません。
損切りラインは利小損大戦略における中核であり、したがってその設定もまた、できる限りマーケットを忠実に解釈することによって導かれるべきものです。つまり、損切りラインは一次的には必要性から導かれるべきものであり、許容性からの損切りラインはあくまでも利益の防衛と一撃退場とを防ぐ趣旨によりやむを得ず設定する例外的あるいは二次的な損切りラインであり、常に-15%の損失が発生しかねないトレードを許容するものではありません。この点を忘れ、-15%まで損失がでれば損切りすればいいと一律単純に考えるようでは、マーケットの忠実な解釈による損切りラインの設定を怠るようになり、むしろ毒として作用します。その一方で、許容性からの損切りラインを設定せずにその場その場の感覚でポジションを持っていると、やがてどうしても過剰なサイズをもつに至ります。人間には感覚の慣れがあるからです。過剰なポジションサイズは一回の失敗により全てを無に帰す破壊性を秘め、それはいつか現実化します。これを防ぐこと、すなわち過剰なポジションサイズになることを押さえ一撃退場のリスクを管理することが必要性からの損切りラインを設定する目的の第一であり、トレードにおける均一的・恒常的なリスクの幅を設定しているわけではないことはよく理解しておく必要があります。
テクニカル上の損切りラインと最大許容損失額の損切りラインとの関係
では、具体的にどのように-15%という大きな許容性の損切りラインを運用していくのか、必要性からの損切りラインと許容性からの損切りラインとの具体的関係を次に述べていきます。
両者は趣旨が異なる
テクニカル上の損切りラインをポジションを持つ前に定める趣旨は、認知の歪みが生じることを防ぐためです。平易な表現にすれば、人間はポジションを持つと愚かになるので、賢い状態のときに大事なことは決めておきましょうということです。これに対し、一回の取引における最大許容損失額を定める趣旨は、一撃でマーケットから退場させられるリスクを排除するためです。このように両者はその目的を異にします。それゆえ実際のトレードにおいては、両者の趣旨が損なわれない形で併存しなければなりません。
両者の関係
この点については、最初にテクニカル上の損切りラインを定め、次に最大損失許容額から逆算して最大ポジションサイズが決定される関係になります。テクニカル上の損切りラインはマーケットの都合に合わせて見出されるべきものであり、逆に最大許容損失額はトレーダーの都合によって決定されるものです。マーケットの都合を第一に考え、次にトレーダーがその都合に寄り添える範囲内で取引することになります。
具体的手順
より具体的にいうと、最初にチャートの状態を読み取りトレンドの転換点を発見したとします。その後、そのトレンドにおける強固なサポートラインを探し、最も信頼性が高いと思われるところを損切りラインに設定します。仮にポジションが逆行し、損切りラインを割った場合には逆指値が刺さり損失が確定しますが、この損失の価額を許容最大損失額の範囲内に収めるように逆算することで、そのトレードにおける最大のポジションサイズが決定されます。ただし、全ての取引において最大取引量でトレードするとリスクが大きくなり過ぎますから、その状況に応じて適宜サイズを調整します。以上が、ポジションをとる前の段階において決定されるべき具体的手順です。
最大ポジションサイズが決定される
このように、最初にテクニカル上の損切りラインを設定し、実際にその損切りラインを割った場合にはどの程度の損失額になるのかを予め考え、その額を一回のトレードにおける損失の限度許容額以内に収めておく必要があります。そうすることで、逆算してエントリーの際の最大ポジション量の目安が導かれます。すなわち、テクニカル上の損切りラインを定め、その損切りラインを割ったときでも損失の絶対価額が一定期間の利益分または資金の15%未満になるようにポジション量を調整するということです。
最大ポジションサイズから実際のエントリーのポジションサイズを決定する
最大ポジションサイズは、実際のエントリーのポジションサイズを決定するための重要な前提ですが、それとは別の概念です。実際のポジションサイズは、個別のトレードの期待可能性の差により決定されることですが、利小損大戦略のもと、原則は、最大ポジションサイズを10分割した上で初回のエントリーは最大でもロングなら3・ショートなら2に留めるべきと考えます。そして並立して別のポジションをもつ場合や難平する場合は必ず1ずつ行います。また、同一銘柄・同一為替ペアについては最大でも6とします。別の銘柄を並行してもつ場合、ポジションサイズの計算は独自に行いますが、その値が既存ポジションのサイズの1よりも小さければそのまま、大きければ既存ポジションから計算された1のサイズでエントリーします。
このように分割してエントリーを行い、利益確定もまた保守的に行います。含み損が発生すれば素早く同値撤退の指値を入れ、含み損が別のポジションや難平の含み益と相殺できる場合はすぐに相殺します。相殺は全体で行う必要はなく、部分的に可能なら実行すべきです。
エントリー時点で既に不完全条件トレードである場合には、さらにポジションサイズを減らします。また完全条件のもとでエントリーしたものの途中で不完全条件へと転化した場合は、より早い判断で損切りします。
このように立ち回ることで、相殺によらない純粋な損切りの機会は激減し、純粋な損切りにしてもテクニカルに基づく必要性からの損切り若しくは先行利益分の損切りに留まることが大部分となり、実際に-15%のロスカットが実行されるケースは極めて希になります。ただし、極めて希ながらも保有するポジションの合計が-15%に達した場合は即座に損切りを実行します。
極めて異例な歴史的チャンスが出現したケース
以上が原則論ですが、トレードにおいては、考えられる限り事前にあらゆるケースを想定しておいた方が良いので、もう一歩進めて考えてみます。
それでも勝負したい場面においてどうするか
考えておかなければならないのは、長い相場の中では、歴史的チャンスだと考え入念な研究と観察のもとリスクを承知で過大なポジションをとり資金を劇的に増やすことを目的としたトレードをしたくなる場面が何度か発生することです。もちろん上に述べたように、基本的にはテクニカル上のサポートラインを割ったときに生じる損害額が最大許容損失額以内に収まるよう、最初にエントリーの最大ポジションサイズを設定しそれを厳守すべきです。しかし、それでもなお、勝負したい特殊な場面がマーケットに姿を現すことが、極めて希ながらも確実に存在します。このような場合に実際に過大なポジションを持ったはいいが逆行し、それでもまだテクニカル上の損切りラインは割ってはいないのだけども、その含み損の絶対額が資金の-15%以上となってしまった場合にいかに行動すべきかという問題です。すなわち、このような特殊な場面において、テクニカル上の損切ラインと許容性からの損切ラインとのどちらを優先して判断すべきかという問題です。
素直な正解としては
答えの一つは、それでもなおルールを厳守すべきだという考えです。損切りはトレードにおいては厳守すべきルールであるとする考えであり、これが正解の一つであることは疑いありません。まして利小損大戦略のもとでは、ホームランを狙う必要はありません。的確な損切りこそが勝負を決する中核とする考えである以上、素直な正解としては損切りを実行すべきこととなります。
それでもなお勝負したい場合には
しかしながら、繰り返しますが、長いトレード生活の中では、滅多に無い絶好の好機に邂逅する場合があります。そして、そのような相場は非常にボラティリティが大きくなります。後から週足や月足でチャートをみたら一直線に上昇しているように見えても、実際には途中で連続的なストップ安を挟んでいたり、かと思えばその翌日に一点してストップ高が発生したりします。そして、それがさしたることもない切っ掛けで起こります。このようなケースにおける行動モデルを構築しておくことは必要不可欠です。
この点、「先行する利益分」の解釈を拡大し、四カ月の利益分までは、テクニカル上の損切りラインを割るまで耐えることも選択肢としてありうると思います。一年単位で考えた場合、三分の一の利益がリセットされるだけであれば、通年としては最低限満足できる利益をトータルでは出せると考えるからです。もちろん、上で述べたように、これは原則として大悪手です。利益は残してこそ意味があります。しかし、千載一遇の歴史的チャンスにおいて、機械的に-15%のラインで損切を実行することは教条主義的な演繹的思考であるともいえ、帰納法的思考に適性があるマーケットに対しては必ずしも相応しくないと考えるからです。資金の-15%ラインはトレーダー個人の問題であるのに対し、テクニカル上の損切りラインはマーケットの問題です。マーケットは自分の都合とは無関係に動くものである以上、マーケットに極めて特異な状況が発生した場面では、自己の問題よりもマーケットの現実を優先して判断するという点では合理的な判断の一面があります。
これは利小損大の戦略的統一性から大きく外れる一面があることは否定できません。ただ、それ以上に避けるべきは、ポジションを持ってから売買戦略を考えることです。繰り返し述べているように、人間はポジションを持つと馬鹿になります。ポジションを持ってから考える損切りラインは馬鹿が考える損切りラインです。従って、発生する可能性があり且つそれが致命的なダメージを与える可能性があるならば、どう対処すべきかをルール化しておくべきです。また、如何に空前絶後のチャンスでも損切りラインは存在することを明確にするという意味では、損切りから逆算して考えるという利小損大の根本的発想との統一性はなお保持されています。
突破されたら例外は無い
ただし、それでもなお、四カ月の先行利益分を割ってしまった場合またはテクニカル上の損切りラインを割ってしまった場合は、鋼の意思をもって決済しなければなりません。例外はありません。他の一切の事情を無視し損切りを決行します。最も避けるべきは、マーケットから強制的に退場を命じられることだからです。なお、四か月分の利益が資金の15%に当たる額よりも小さい場合は、原則どおり-15%の時点で損切りすべきです。
歴史的な絶好の好機にまで、ルールをただ機械的に当てはめていては大魚を逸する可能性があります。帰納法的手段によって構築された典型モデルも教条化してしまえば、硬直した演繹的思考になってしまいます。しかし、それでもなお、絶対に強行しなければならない場面も存在するということです。