""

4 損切り

4.4 10分足基準でエントリーする意義

前節における損切モデルにおいては、最終的に10分足のトレンドに基づきエントリーしています。ここで10分足を最も基本のモデルとする理由をもう少し詳しく敷衍します。

一般に、ある時間足のチャートを解釈する場合、その時間の単位が長ければ長いほど信頼性は高まります。週足のトレンドは日足のトレンドより正確であることが多く、日足のそれは4時間足のそれより正確とされます。しかしだからといって、週足や日足を中心として使用するトレードでは機会損失が多く、寡少な資本を短時間で大幅に増やすことを目指すトレードではあまりに歩みが遅くなります。その間にかかる生活費を考えると現実的に取りえない選択です。

その一方で、1分足のトレンドを基本とすると、非常に多くの参入を検討する機会が訪れます。しかし、1分足のトレンドで期待できる値幅から利益を上げようとすれば必然的にポジションサイズを大きくする必要があります。不正確なトレンド予測をもとに大きなポジションを持った結果、損切りが遅れた場合に千円の利益を取ろうとして十万円を失うような事態が発生します。

ここで世の多くの場合にそれが正解であるように、中庸を志向します。1日の間で少なくとも数度は参入する機会が訪れ、かつトレードの安定性を備えた時間足となると、10分足が最適であると経験則から感じます。繰り返しますが、私はこれが唯一絶対の解だと主張しているわけではありません。私自身のトレードスタイルや個性・才能に基づき現実の相場に対峙した経験から帰納的に見つけ出した時間足です。

なお、念のために強調しますが、前節の損切の決断基準、すなわち3日足・日足でブレイクした場合に損切の決断をするという基準は、利益確定の基準とは異なります。利益確定はあくまでも10分足のレジスタンス付近でそれが恐らくは機能するであろうとの予測のもと守備的に利益を確定させます。利小損大の方針を採る以上、通説的見解である、期待されるリワードがリスクを上回るポジションをとるべきだとするリスクリワード論とは、全く逆の結論となります。

論を戻すと、3日足に基づくロングかショートかの判断の下に1時間足が3日足のトレンドと一致する場合に10分足を基準にエントリーする原型モデルは、勝率としてはかなり高いものがあります。それ故に比較的大きなポジションサイズを取ることが可能です。とはいえ、それでもなお、いわゆる難平ー取得単価を下げることができる余地を少なくとも1回分残しておくべきです。つまり2回に分けてエントリーできる余地を残しておくということです。仮に5:5とすれば、最初にポジションをとった値からみて、難平した時点から50%戻せば救済されることとなり、損切の実行を極力さけるという利小損大の方針における至上命題を実現させるためには、この救済は極めて魅力的です。利小損大の基本方針のもとでは損切りの発生機会を極力低く落とし込むことを徹底して軸とすべきであり、利がどのくらいであるかよりも損の発生機会をいかに抑えるかがこの戦略の肝です。従って、エントリーを2回以上に分けて難平をする余地を残しておくべきだと考えます。

難平のタイミングについては、1日足において反発が期待できるサポートを基本とします。なぜ1日足かというと、3日足基準のサポートを損切の基準とする以上、3日足よりは短い足でかつ10分足とは明確に異なるものでなくてはならないからです。さらに日足の更新を跨ぐことで半値を戻す期待可能性がかなり高まります。

以上により、必要性の観点からみた損切りの原型モデルが完成しました。これを基本とすれば10分足以外の足を基本とする場合についても、応用的に導きだすことができます。たとえば、より積極的に取引に参入すべく5分足を基本とするならば、リスクは高まりますから難平の機会を多くすべくエントリーの分割回数を増やすなどといった判断です。より守備的にトレードするにせよより攻撃的にトレードするにせよ、基本となる足によって、10分足のモデルをより厳しく修正するか甘く修正するかといった判断ができるようになります。

Copyright© ORTHRUS STRATEGY , 2020 All Rights Reserved.